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喩えるならば 深い深い海の底。

僕は外への鍵を落としてしまった。



僕は泳ぐことが出来ないのに水の中にいて

だけど泳げないから動けないんだ。



鍵を欲していたのに探しもせず諦めた。

初めから無かったと思えばそれ程苦にはならなかった。





ゆらゆらと漂って 眼を開けることも叶わずに。

いや、僕はこの深く暗い闇の中で眼を開きたくなかったんだ。

眼を閉じているのは心地が良いのだけれど、心細かったから。

眼を開いてしまうと独りだということをまざまざと見せ付けられる。

その度に鍵を欲するくせに、僕は行動に移そうとはしない。



心地よい浮遊感がまるでゆりかごのように眠りを誘い、僕は眼を閉じる。



何か大切なモノを忘れてしまっているような、そんな煮え切らない思いが腹立たしい。











この闇の中で、何かが光ったような気がした。

何処からも光など差し込んでないはずなのに、それ―多分、鍵―は光を跳ね返して輝い
ている。

僕は辺りを見回し、そして光の正体が僕自身だったということに気が付いた。

頼りない、淡い光。それでも闇の中、確かに光っていた。





その時、僕の海に波紋が広がった。

心臓の脈打つ音がやけに大きく聞こえ、それが期待だと悟った。

僕はなんて横着者なんだろう。

誰かが僕を起こしに来てくれることを願って、待っている。全てその彼のせいにしてしま
おうなんて思って。





僕は眼を開け、必死にもがいた。

ずるい僕が、僕であるために。





波紋が大きくなり、僕の海に光が広がった。

僕は視界の隅に鍵を見つけ、手中に納めた。









急に明るくなった視界の先で笑っているのは、みんな。









アヒル口の彼が遅いよ、と僕を小突く。

笑顔の眩しい彼が僕の腕を引く。

背の低い彼は僕の背中を強く叩き、がっしりとした体格の彼が温かに微笑んだ。





待っていてくれたのかと僕は驚き、忘れていた大切なものの存在を思い出す。





あの海で感じた孤独は一体なんだったのか、僕は笑い飛ばしてやりたいほどの自分の
バカさ加減を知る。





行こう、と山口が言った。

みんな揃ったしね、と太一が。

待ちくたびれちゃったよ、と松岡が。

来てくれると信じてたっす!と長瀬が。





「行こう、茂くん」

「今度は遅れないでよね、リーダー!」

「ま、あんたのペースに合わせてあげるし」

「疲れたら俺がおんぶしてあげますからね!」





僕が失くしていた鍵は、名前だったのかも知れない。





どうして僕はあんな暗闇を心地よいと思ったのだろう。

彼らと一緒にいるこの世界はこんなにも明るく、幸せなのに。











「おん…ほな、いこか」











五人揃って、また歩き出そう。



終わりではなく先を目指して。



一つの終わりは同時に始まりでもあるから。












そして僕らはまた歩き出す。



















END


ARIGATO!!5000Hit!!
(カウンタの廻りが)速くて吃驚です。
今までこんなことなかったので(笑)












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