許せない、と そう思った。
殻を叩いた日 -9000Hit Thanks.-
太一は永遠に続くんじゃないかと思うほど長い一本の廊下を走っていた。
きっとこの廊下を何人かの警備員と共にゆっくり歩いているうちに後悔するに違いない。
そんなことを考えてしまう程白く、長い道。
向かう先は既に死刑が宣告された刑囚のもと。
神だ天使だと崇めていた癖に、やって欲しいことがすんだら手のひらを返したように侮蔑
した。
用無しになったらポイ、だ。
最悪なことにご丁寧に罪まできせて。
許せない、と太一は拳を握り締め、歯を食い縛る。
怒りでどうにかなりそうだった。
太一だって首謀者のうちの一人だった。
五人で行動していた。確かに、リーダーはあの人だったけれど。
捕まったのが彼だけで、裁判だってカタチだけで、死刑宣告を受けたのも、彼一人。
その事実が太一には信じられなかった。
五人で生きてきた。いつまでも五人なのだと信じて疑わなかった。
それなのに、どうして―…
「茂くん!!」
バタンと乱暴に扉を開いて、一番奥にあった部屋に入った。
部屋の隅には鉄格子があって、中には太一が探していた人物がいた。
服はぼろぼろで、怪我は手当てされていなく、最後に見たときよりも大分痩せ細って
いた。
「俺は納得できない!貴方があいつらに何を言ったのかは知らないけど、
俺たちが生きてあんたが死ぬなんて事は間違ってる!!」
太一の叫びに城島は何も答えない。太一にはそれが腹立たしかった。
いつもそうだ。
何に相談も無しで勝手に悩んで勝手に決めて。
そして取らなくていい責任まで押しつけられて。
「―…自分、誰や」
低く呟かれた言葉に太一は一瞬言葉を忘れた。
「僕は、お前の事なんて、知らん」
「―…何、いってんだよ!!」
「僕は何時でも独りやった」
仲間なんておらん、と城島が皮肉気に笑う。
一人でやった、全部一人で。
小さく何度も繰り返す城島を見て太一は全てを悟った。
守ってなんて、庇ってなんて、あなたにそんなことを望んでない。
裁かれる時も、―死ぬ時も、一緒に。ソレが俺等の望みなんじゃなかったの?
「勝手なこというなよ!!」
たまらず太一は叫んでいた。
「あんたが壊れて何を忘れようと、そんなこと口にしたら俺は許さない!
二度と口にするなよ、言ったらぶん殴ってやる!!」
叫びながら、泣いていた。
「あんたは独りなんかじゃなかった!いつも俺等五人で居ただろ!?思い出せよ!
いつも笑っていたくせに!!」
どんな時でも一緒やで、と。
病める時も富める時も、死す時だって、最期の一瞬まで。
「あんたが一番望んでいたくせに!!」
こうなることを解っていたから、あなたはあんなにも恋い焦がれたのだろうか。
両の手で塞がれた耳。
たくさんの"ありがとう"は あなたに届いていますか。
END
9000HitThanks!!
何時の間にやら9000Hitですね。
嬉しいです、有り難う御座いますw
これからもどうぞ宜しく御願いします。
この話、最初の方はジャンヌ・ダルク…(!?/笑)
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