救われたいだけなんだ。
ただそれだけなんだよ。
そう言ったらあんたはきっとすました顔で答えるに違いない。
そして勝ち誇った笑みを浮かべるんだ。
「お前は既に救われてるよ」
これは俺の予想。でも予想は予想でしかない。だから、俺はあんたが現実何と言うのかな
んて解らない。
俺のイメージからのあんたの言葉は、俺の言葉であってあんたの言葉ではないから。
独眼竜の旦那は俺のことなど見ていない。
まるで俺など此処に存在しないかのように旦那は風と戯れている。
そう思ってしまうのは俺の勝手。声に、顔に出さなければ。
旦那の心中なんて、俺には解りっこないんだからさ。
「(あぁ、これは)」
「諦めの言葉…か」
「Ha?」
ぽつりと洩らした言葉を、彼は拾った。
そして知る。彼はこの空間内に俺の存在を認めていた。
「だって、忍者に強い自我は要らないんだよ」
「―己を殺し主人に仕える者が忍者だからな」
彼は俺の名前を疑問系で呼んで流れを止めたりしない。
俺の途切れた言葉をも、彼は繋げようとする。
俺はうん、と頷いて見せた。
「俺は、救われたいんだ」
あんたに何か望んでるわけじゃないんだけど、言葉にするってことは望んでるってことなの
かな。
俺は生きている。あんたは活きている?
彼は真っ直ぐに俺を見据えて、口の端を上げた。
「お前はー」
「俺は、救われてなんかないよ」
予想が本当になる前に、止めた。
あんたをその泥沼から掬い上げることなど出来ないんだから。
「Aha!お前は救われてるさ」
彼は一瞬憐れんだ瞳で俺をみて、そして口を噤んだ。
「…俺は俺を確立する。俺は俺であって、そしてそれは何人たりとも穢すことは出来ない。
真田の旦那も、―独眼竜の旦那、あんたにもだ」
挑むように睨み付ければ、彼は今度こそ本当に笑った。
何がおかしいのか、大笑いだ。俺は途方に暮れてしまった。
一通り笑ってから彼は顔を上げた。どことなくさっぱりとした表情。
「そうかも知れん。お前は、救いようがない」
「Oui、きっと、最期まで救われることはないよ」
俺が救われるのは、あんたが救われた時。
そして、俺かあんたが死んだ時だ。
「(意執は身を滅ぼすだろうけど)」
それでも俺は願わずにはいられないんだよ。
「(救われますように!)」
祈りの姿はとらないけれど、あの星に願うよ。
END
ごめんなさい…。(取り敢えず謝っとけ)
キャラが解らないのでこれが精一杯デス。
薔薇は不可能、の蒼を。
最後こじつけのように星とか書いたけど、二人は何時何処で話をしているんだろうね!
背景:創天

|
|