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4.




この惑星ほしにいるのは、神は神でも死に神だ。


特殊能力を備えた上位アークドラゴンともなれば
一夜にして都市を壊滅させることすら珍しくない。





彼ら龍族は、死と破壊の象徴だった。





























「ラドゥーンを動かせよ!」




狭いコクピット内にサカモトの怒声が響く。
動いているのはサカモトの剛姫だけだ。
サカモトは苛立たしげにヤマグチの足を蹴った。

デッドリー・ドライブは基本一人用だ。
大人の男を二人も乗せるスペースは本来無い。
何が悲しくて男と密着しなければならないのか、と
サカモトは顔を引きつらせた。



「敵さんに手の内明かさなくてもいいだろ」



ヤマグチは涼しい顔をして言ってのける。
サカモトは本日何度目になるか解らない溜息を吐いた。










































水辺は、静かなものだった。

きょろきょろと当たりを見回すが、代わり映えのしない
岩と砂の大地がずっと続いているだけだ。
ドラゴンの隠れられそうな森林もない。
うーん、とサカモトは唸った。


「水場、此処だよな?」
「だろーな」
「ドラゴンのドの字もねーな」


居たら困るけどな、という言葉をヤマグチは飲み込んだ。
また足を蹴られるのは勘弁だった。
結構痛いのだ、サカモトの蹴りは。
手加減しているとはいえDJなのだから。


「ガセ、ではないよ…な?」
「シゲも知ってたしな…帰る?」


サカモトはもう一度当たりを注意深く見渡してから小さく頷いた。
おかしい、とは思う。しかしそれだけだ。
ドラゴンの行動理由など人間には理解できないのだから。
下位レッサードラゴンは喰うために人を襲うが、
上位アークドラゴンは破壊のために破壊するのだ。
サカモトは遠ざかる水辺をもう一度だけ振り返り、唇を噛んだ。








































戻ってきたサカモトたちの表情から偵察が上手くいかなかったことが解る。
マツオカは夕食の用意をしながら二人の報告を聞いていた。


「居なかった?」
「まあ、そう簡単にドラゴンに遭遇してちゃ命が幾つ在っても足りないけどさ、
頻繁に現れるって話だったから…・…さ」


そう言ってサカモトはじろりとイノハラを見る。
イノハラはその視線を受けてあは、と笑った。


「あ、悪ぃ。手伝うよ」
「じゃ、スープよろしく」


マツオカがキッチンに入ることを許すのはサカモトだけだ。
マツオカもサカモトも料理が上手い。
ヤマグチも下手なわけではないが、摘み食いが多い。
ジョウシマは見ていて心臓に悪い。
だからか、必然的にマツオカとサカモトが財布を握っていた。














「教団が動いているんやって?」








キッチンから良い匂いが漂ってくる中、
ジョウシマがヤマグチに訪ねる。
訪ねる、というより確認に近い口調だったが。
ヤマグチは首を曖昧に振った。
解らない、という意味を乗せて。


「何が目的なのかさっぱりだよ…」
「まぁ、なるようにしかならないんだけどね!」


にっと笑って話に割り込んできたイノハラ。
その後について無言で席に座ったゴウをみて
ジョウシマは悟られないように微笑んだ。


「ハイよ!」
「おまちどう!」


マツオカとサカモトが料理を机の上に並べていく。
鮮やかに彩られた皿の上の料理はある意味芸術だ。
ジョウシマは胸の前で手を合わせる。
みんなもそれに倣い手を合わせた。



「それじゃあ、みんなで」
「いただきます!!」



言うが早いが、ヤマグチから自分の分を確保するために
みんなの箸が一斉に動いた。



そして楽しいはずの夕食の団欒の一時が
戦場と化すのにそう時間はかからなかった。











End...





何かもういっぱいいっぱいですが、何か。爆
もし知っている方で何か変なところがあったら教えてください。