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はらはらと舞い落ちる。
月が淡く照らす、闇の中。
早朝のまだ暗い中、傘もささずに空を見上げていた。
ふと空を見上げたくなるときがある。
忘れていた空の青さ、紅さ、そして深遠。
舞い散る雪に目を奪われる。
「何してるのよアナタ」
突然かけられた声に城島ははっと後ろを振り返った。
「寒くない?傘もささずにぼけっと突っ立ってて。風邪ひくよ」
「早いなぁ松岡」
素直に驚いた事を口にすれば溜め息をつかれた。
「年考えてよね、ほら冷たい」
頬を両手で包まれる。酷く温かく感じて、何故か安心した。柄になく不安になっていたことを知る。城島は思わず苦笑した。
「一点から落ちてくるように見えてん。でもホントは違うやろ?」
「雪?」
「ん。遠いから小さいねん、スポットライトみたいな感じせぇへん?」
どうや?と松岡を見ればそういう風にも見えるかもね、と返された。
「積もるかもね。長瀬が喜びそうだ」
「そうやね」
顔を見合わせて笑う。
「ありがとな」
そういうと松岡は照れたように城島を軽く小突いた。
「ため込むなよ」
「…ん」
彼なりの優しさに、不覚にも涙が出そうになった。
深々と 雪が舞う。
白は闇に良く映えた。
End
松と城。
松岡はきっと城が気になって構いたくて仕方ないに違いない。

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