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茫然としていた長瀬に向かって、あんな奴の事は忘れろ、と太一は言った。
悪魔なんかの為に長瀬が傷付く必要はないと思ったから。
それは長瀬の為の言葉だったのに、太一は涙が滲んだその瞳に睨まれてしまった。
「リーダーは悪魔だったかもしれない。でも、俺にとってリーダーはリーダーなんです」
みんなを見回して真剣な眼差しで長瀬は言う。
「リーダーは悪魔だけど悪魔じゃないみたいだった。俺、あの人の隣にいると安心しまし
た。俺はリーダーが好きだった」
怒ったような、しかし泣き出しそうな顔をして、長瀬はぎゅっと拳を握る。
「リーダーは悪魔だったけど、リーダーはリーダーです。俺は城島茂が好きです。種族な
んて関係ない!」
「長瀬!!」
太一は怒鳴った。悪魔は悪魔だ。好き嫌いではないのだ。
しかしー
「悪いけど、俺も長瀬と同意見」
「兄ぃ?!」
驚いたように松岡が叫ぶ。
「俺も、茂くんが好きだからな。悪魔でも茂くんは茂くんだ」
「でも」
「太一も松岡もさ、茂くんが好きだから腹立ってんだろ?」
突然の質問に俺も松岡も何も言えなかった。
「…何、言ってんのさ」
今までの会話の何処をどう聞いたらそうなるのか。
唖然とした俺たちに薄く笑って、山口くんは気付いてないのかと言った。
「茂くんが好きだから、隠し事されて腹立ってんだろ?信じてもらえなくて悲しくて怒ってん
だよ」
信じてもらえなくて。
その言葉が胸に刺さる。
彼は秘密主義者だった。最後に種明かしをして俺らを驚かせては嬉しそうに笑う、まるで
子供の悪戯のように。許せたのは彼の笑顔を見て、怒るのがばからしくなって。
今回は違う、種明かしをしないという拒否を感じ取ってしまったから。
―信頼されてないんだと、心まで隠されてしまって―許せなかった。
「許してやれよ。嘘をつくのだって辛いんだ」
「でも」
「お前のあの言葉を聞くのが怖かったんだろ」
種族差別的な、拒絶の言葉を。
「…解ってるよ」
解ってはいるけど、頭がついていかないんだ。
太一は力なく笑った。
「力が極端に落ちてるみたいだったしな…」
松岡が彼が去ってしまった方向をみながらぽつりというと長瀬は何度も頷いた。
それに、と長瀬は続ける。
「今更反発なんて可笑しいんすよ。俺今まで何回茂くんに抱きついて潰してマボと山口く
んに怒られてると思ってんですか」
「何で胸張んだよバカ!」
思わず突っ込んだ。すると長瀬は嬉しそうに笑った。
あぁ、と思う。長瀬はなんて天使に向いているのだろう。
「太一くんのせいにするわけじゃないけど、太一くんに否定されたから、リーダー、自分で
自分を否定しちゃったんじゃないすかね」
「どゅこと?」
松岡が首を傾げる。山口が可愛くねぇよと突っ込んだ。
「自分で言うのも何ですけど、俺結構愛されてたと思うんすよ。受け入れてもらえてたっ
ていうか」
態度はマボと比べれば一目瞭然っしょ!と長瀬がガッツポーズを作ってみせると、松岡は
体育座りでのの字を書き始めた。
「いちいち反応すんなよ!お人好し!」
律儀に突っ込む山口も、何時もとは違うポジションに笑みを浮かべた。
本当は大問題なんだけれど、どうしてだろう、俺らにそれが大きな問題だとは思えないん
だ。
種族が違ったからって何さ。何処に問題があるの。同じ生き物でしょう?
そりゃ、考え方も生き方も違うかも知れない。だからって相容れないものを壊して根絶や
しにしてしまおうなんて考えて良いわけない。片方しか持っていない知恵や技術が在る
かも知れない。
羽色がちがくたって、リーダーはリーダーなのだと、言い切れる長瀬が少し羨ましかっ
た。
世界の常識(と言われているモノ)に、俺は少し囚われすぎていたのかも知れない。
「謝らなきゃな」
山口が太一の肩をぽんと叩いた。
太一が頷くのを見ると、今度は視線を松岡に向ける。
松岡も首を縦に振った。
羽が黒くたって、彼が悪いのではないのだから。
俺らは羽を広げて、地面を蹴った。
探しに行こう、彼を連れ戻しに。
取り返しが つかなくなる前に。
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天使モノパラレル(前と設定が違う…
今回は太一視点で(定まってませんが)リーダーだけが悪魔設定。
続くとかかいといてあれですけど続くか解りません。
ぶっちゃけ続きません.つかしまった!!題名日本語で揃えようと思ってたのに!!

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