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「お前…は、」
飲み込んだ言葉は体の奥に沈殿した。
+マジック・ミラー+
もう何度聞きかけただろう。
その度に飲み込んだ言葉は可成りの嵩になり酷く濁っている。
「どうしたのマボ」
松岡の固い表情に気付いているのかいないのか、井ノ原はにこりと笑って松岡の顔を見た。
前者だ、と松岡は思う。気付いていて知らぬフリをしているのだ。
「井ノ原、俺ら、友達だよな?」
「そーだよ?何々気にしちゃってんの!?」
あはあはと笑って井ノ原は松岡の背中を叩いた。
しかし松岡の表情は晴れない。
井ノ原はやっと笑うのをやめ、松岡の前に立った。
「何を心配してんだよ」
怪訝な顔で井ノ原が問えば、松岡は少し悲しそうな顔をして井ノ原を見詰めた。
「見えねーんだ」
「―は?」
「お前が見えないんだよ!」
ぐっと眉を寄せた松岡を、訳が解らないという風に見て井ノ原は頬を掻く。
「マジックミラーみてーに、お前が見えねー。
お前からは俺が見えてるんだろうけど、俺には見えねぇんだよ!」
「何、言って…」
「友達なんだろ!?隠れるなよ、出てこい!!」
叫ばれた言葉にすっと眼を細くして井ノ原は口の端を上げた。
「友達だよ、だから言わない」
「どうして!?」
悲痛な叫びに、しかし井ノ原はにっこりと笑っていった。
「だって、それが俺の優しさだから」
その笑顔の真偽すら見分けられず、
何を言えばいいのかも解らず、
松岡は口を開け、そして閉じるしかなかった。
END.
ワンパターン化してきました★(←死
途中で放棄しかけたのを無理矢理終わらせ!!
初めてリーダーズが出てこない噺を書いたよ!!笑
「坂本くん」と、その音は静穏な水面に水滴を垂らした。
+手繰り寄せる糸+
「坂本くん」の音が持つ意味を思い出せなかった。音の発信源も解らない。
「坂本くん」と三度繰り返され体を揺すられ、やっとその音の意味と声の主を思い出した。
ゆるりと閉じていた眼を開けると飛び込んできた赤。
眼が痛くて反射的に眼を閉じて、またおそるおそる瞳を開いた。
「坂本くん」
ほっとしたように笑う長身で無精髭の男を、坂本はぼんやりと眺めた。
「長瀬」
「なーに?」
「長瀬」
「どうしたの?」
「長瀬」
この紅は、何?
どうしてお前の白いシャツは緋色に染まっている。
「長瀬、」
そうだ、あいつらは?
長瀬は笑っている。本当に、嬉しそうに。
ズキリと頭が痛んで、一瞬のフラッシュ・バック。
撃たれた自分、叫んだ長瀬。
それから、それから?
「どうして、俺は生きてるんだ」
もうダメだと思った。
約束を守れなかったと悔やんだ。なのに、。
「大丈夫だよ、もう、大丈夫」
長瀬はにっこりと微笑んで坂本を抱きしめる。
強く、坂本が生きていることを確かめるように、自分に言い聞かせるように。
「守ってみせる、俺、もう平気」
大丈夫と繰り返す長瀬の背中が震えているような気がして、何だか俺は泣きたくなった。
「(ごめん)」
声には出さずに謝る。長瀬と、松岡に。
他の研究所に連れて行かれてしまった松岡。俺は何も出来なかった。
だから、あいつとのたった一つの約束くらいは、絶対に守ろうと思ったんだ。
「(傷付けてしまってごめん、守れなくてごめん)」
「(それでも)」
「守るからな」
長瀬の背中に手を回して抱き締め返す。
小さな子供のように、長瀬はしゃっくりを上げた。
身体面では俺は長瀬に比べて無力かも知れない。
でも、精神面だったなら。長瀬の心が壊れないように。
お前がずっと笑えるように、お前の心を俺は守ろう。
守ろうとする想いは力になる。
だから、俺は想い続けよう。
END.
勝利最年長と東京最年少コンビ。
なんか好きかもこのコンビ(笑
+咆哮 +
コチコチと秒針が時を刻むのに合わせるようにドクドクと心臓が脈打つ。
体中が焼けるように痛くて死ぬほど辛くて叫んでしまいたかった。
しかし声を出すことすら叶わず息も荒く手足が千切れてしまいそうな錯覚。
でも、泣きたいほど安堵した。
生きてる。
まだ生きてる。
まだ大丈夫、まだ歩ける。
嗚咽は何時しか慟哭になり
叫びというよりも咆哮をあげ
俺は見開いた眼から涙を流す。
約束を守るんだ、もうそれしかないんだ。
たった一つ、俺があいつにできること。
復讐ではなく後を追うのでもなく
生きて生きて生き抜いて、
あいつのことを忘れないこと
END.
誰と誰!?
考えなしで打ったので私も解らん(笑
私的には坂本くんとイノッチかな。でも誰でもよさげな・・・。
誰と誰な感じに読めますかね??
雨の日は、あんまり好きじゃない。
でも、そんなに嫌いでもないんだ。
+Rainyday+
夜、暗くなった帰り道、点在する街灯が道と雨と俺を照らす。
俺はイヤホンで音楽を聴きながらスローテンポで歩いていく。
傘で雨粒が跳ねて音をたて、
地に雨粒が落ちて音をたてる。
何とも言えないこの独特の空間が、嫌いじゃないから。
雨には雨の良いところが有るんだよ。
連絡したいな。
みんなの声が聞きたい。
柄にもなくセンチになってみたりして。
きっと坂本くんだったら邪険にしながらも構ってくれるんだろうなぁ、
なんて思って俯いた。
喧嘩をしたんだ。
俺の八つ当たりだったんだけど。
たすけて欲しかったんだ。
気持ちを無理やり押し付けて、
理解してもらえなかったら逆切れして。
だから、謝らなくちゃいけないんだ。
この雨は俺の代わりに泣いてくれてるんだよって言おう。
あぁ俺ってばロマンチスト。
そしたら坂本くんは何て言うかな。
数回のコールの後、少し起こったような声。
ごめんねって言ってあの言葉を伝えたら、
坂本くんってば超かっこいいの。
「それは嬉し涙なんだよ、ばぁか」
だって!!
無事仲直り出来て、俺は本当に嬉し泣きするとこだった。
END.
えーっと、うん、イノサカコンビに憑かれてるね。
昨日遅くまで英語の予習してて疲れてるからさ!!
っていうか、え、え!?
イノッチ昨日お誕生日ですか!!!!???
うわおめでとうございまーす!!!!
PC早く直して更新せな!
+白い悪魔+
重装備の男たち白いが研究所を黒く占領していく。
刃向かう者は容赦無く殺された。
そんな中我関せず、と傍観を決め込んでいた男を銃を持った男たちが囲む。
長身で細身の強面の男は疲れたように降参のポーズをとった。
「貴様が坂本博士か!?」
「はぃ?いえ、とんでもない。
坂本博士はこの先のラボにいらっしゃる、細目の顔に締まりのない方ですよ」
「…ふん、簡単に上司を売るとはな」
「僕も命は惜しいですからねぇ」
苦笑した男を銃で脅すようにつついてから、男たちは長い廊下の向こうに消えて行った。
そして聞こえた何発もの銃声。
男は不快そうに顔をしかめ、忌々しそうに舌打ちをした。
この白い研究所にあの黒は目立ちすぎる。
まるで男の嫌いな黒光りする虫のようだ。
粗忽で無骨で、美しくない。
嫌悪感だけが先に走る。
はぁ、と男が溜め息を吐いた時、細目の男がその真っ白な白衣に紅い華を咲かせて飛び込んできた。
「坂本くん!何で俺が「坂本博士!死んでいただく!」とかいって殺されかけてんの!?
危うく蜂の巣になるとこだったよ!?」
「無傷じゃん、気にすんなよ」
いい男が台無しだぜ?という言葉にへらりと笑った細目の男は、
ばたばたという足音に慌ててポケットから拳銃を取り出した。
取り出した二つ両方を坂本に投げ、自分はまた違うポケットから拳銃を取り出す。
まるで手品のように色々な所から色々な物を出す細目の男に、坂本は呆れたような顔をした。
「吃驚人間みたいだな。そのうちミサイルでも出るようになんじゃねーの?」
その声は面白そうで坂本が表情ほど呆れていないことが解る。
不意にブツッと放送が乱暴に入れられた音が辺りに響いた。
「魔術師より各員に告ぐ。皇帝、騎士は直ちに法皇と合流。占術師を援護」
武装兵には解らないような放送が流れ、坂本は首を竦めた。
「長野からだ。茂くんと合流、太一を援護。
つか何で俺が皇帝でお前が騎士な訳?井ノ原、お前ゲームのやり過ぎ」
「俺はさ!坂本くんを姫、んで俺がその騎士がいいって長野くんに言ったんだよ!」
「言ったのか!!?」
「速攻却下されたけど…だから皇帝。ナイスネーミングじゃない?」
それに曖昧に応えて坂本はぐっと伸びをした。
「ま、俺らの前に鬼神が行ってると思うけどな」
「岡田は坂本くんに鬼神って付けたがってたけど」
「山口の方がお似合いさ」
くっと口の端を上げて坂本は両手に拳銃を構えた。
井ノ原もそれに倣い片手にオートマのマグナムを構える。
「邪魔する奴は構わねぇ、遠慮すんな!行くぞ!」
「了解!!」
ばっと廊下に飛び出し引き金を引く。
倒れる男たちには眼もくれず坂本と井ノ原は長い廊下を疾走していった。
END.
中途半端*´艸`)
坂本くんがイノッチに面倒を押しつけるシーンを書きたかっただけ(冒頭やん
死を覚悟した。
寧ろ望んだ。
これ以上自分の周りに死体が増えないように。
血を吐き、眼が霞んで、安堵した。
+信じたいもの・護りたいもの+
ごほっ、と咳をし、何か熱い物が喉を迫り上がってくるのに何とか耐えた。
吐き出したいのを我慢してずるずるとやっとのことでコックピットから這い出る。
乗っていた機体は見るも無惨に鉄くずへと変化していた。
爆発しなかったのは奇跡といえるだろう。
自分の悪運に、城島は笑わずにはいられなかった。
は、と短い息を吐く。血が流れる感覚が不快だ。
段々と体から体温も失われ、薄れていく意識。
其処は森の中の、少し開けた草原だった。
白い花が咲き乱れ、自分の死に場には勿体ないな、と城島は思う。
通信器具やレーダーは全滅。
敵軍にも見方にも感知されることはないだろう。
薄く笑って眼を閉じた。
視えたのは、仲間の顔。
殺した人間でも上司でも部下でもない、
置いてきてしまった、四人の仲間の顔だった。
急に胸が熱くなった。
生きたいと思った。
帰りたいと、強く願った。
ぐっと歯を食い縛って這いずる。
力を入れればその度にぼたぼたと血が流れる。
真っ白い絨毯に赤いラインが引かれていった。
力が入らなくなって、もうダメかと諦めかけた、その時、
城島は男が一人立っているのに気付いた。
眼が霞んでしまって男の表情は読めない。
帰りたい、と、音に出来たのかすら城島には解らなかった。
>>>>>
えー、戦争物?あ、無理、機械とか全然解らへんもん。
夢を見た。
夢、を。
*Refrain*
「長野」
突然呼び掛けられて吃驚した。
眼の前に在ったのは坂本の心配そうな顔。
俺は思わず飛び退いた。
その過剰反応に坂本も驚いたらしく、眼を見開いて固まっている。
俺はごめんと謝ることしかできなかった。
今日は6人でスタジオでインタビューを受けることになっている。
6人で集まるのは久しぶりだったのに、俺の中では喜びよりも憂鬱が勝っていた。
夢が頭から離れない。
スタジオ、マイク、照明、音響。
ダメだ、たかが夢だと割り切れない。
インタビュアーが一本のマイクを持ち、質問してはその相手に渡して回答を得ていく。
剛、
井ノ原、
そして。
ひくり、と喉が震えたのが解った。
ダメだと反射的に思いマイクを奪いとる。
スタジオが蒼然としたのに、俺は何とか笑みを浮かべた。
「ダメですよ〜、坂本にマイクなんて重いもの持たせちゃ。歳なんだから」
「そ、そうですか?すみません〜」
軽口と取ったのだろう、スタジオが笑いに包まれる。
坂本が不満げに口を尖らすのを、俺は吐き出したい気持ちで見た。
繰り返し見るんだ。
いつか、その時が来てしまいそうで、怖い。
彼がマイクを持つ度、照らし出される度、俺は心臓が止まりそうになる。
正夢にならないか不安で死にそうになる。
その口があの言葉を紡ぐのを、バカみたいに畏れている。
『俺、V6のリーダー辞めます。これからは長野がメンバーを新たに率いて行くでしょう。
僕はもうV6には要らない。僕の好きなように生きます』
そして俺は今日も冷や汗をかきながら、泣きそうになって飛び起きる。
END.
えーと、何か中途半端だけど…。
こういうのを駄文って言うんだよね。
長野くん久しぶりなのにこんなんだよ;;
2.
次に目を開けた時、城島は体中に酷い痛みを感じた。
そして何かいい匂いを嗅ぎ、空腹を。
体は上手く動かせないが、生きていた。
少し残念に、それでも嬉しく思う。
ガチャリと音をたててドアが開き、男が入ってきた。
その男は城島が起きていることを認めると少し驚いたような顔をしたが
すぐに無表情に戻り、ベッドの横のイスに座った。
「しぶといな」
「…そうやね、自分でも呆れるわ」
「流石は"ヘルズ・イーター"と言ったところか」
抑揚なく話す男に、城島は顔を顰めた。
"地獄の死喰い人"などと呼ばれたことなど記憶にない。
城島の探るような視線に男は口の端を上げる。
「俺の顔に見覚えがないのか?何だ、結構有名だと思ったのにな」
「---------…!?お前は、"デス・クロウ"!!」
叫び体が軋んで、痛みに顔を歪めた城島を見て男は不敵に笑った。
「俺ってばそんな風に呼ばれてたのか。"死のカラス"ね、いい名前だ」
揶揄するように言葉を紡ぐ男に、城島は何か言おうとして、失敗した。
腹が鳴ったのだ。
腹の虫が盛大に空腹を訴えていた。
男はきょとんとした顔をして、それから声を上げて笑った。
あんまりに笑うものだから城島が居たたまれなくなった時、やっと男が笑い止んだ。
「あぁ、そうだ。あんたもやっぱり人間なんだな。
シチューで良かったら作ったけど、食べられるか」
「お、おん…頂くわ」
「なら、待っていろ」
男はそう言うと部屋を出ていった。
城島は部屋を見渡す。
そして伏せられた写真立てに目を止めた。
手を伸ばしても届く位置にはなかったため、何かは解らなかったが、
何故だかとても泣きたくなった。
>>>>>>>
※男の機体は黒く、鴉の翼のような羽だったのでカラスと呼ばれていました。
黒い機体にあったら最後、死に誘われるとして畏れられた機体でした。
ちなみに城島の機体は下地が銀で赤く弧を描く口のような模様が入っていたため喰う者、
そしてそれが恐ろしく強く多くの機を墜としていったため、地獄の死喰い人と呼ばれていました。
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