紫煙がゆらゆらと立ち昇る。

其処は町外れの廃協会だった。
薄暗い講堂の中に男が一人座って煙草を吹かしている。
神の像は崩れ落ち、祈る者は此処には居ない。

男は口の端をあげて煙草を投げ捨てた。

神でさえ見放したであろうこの場所で、それを注意する者は今いない。
男は立ち上がって捨てた煙草を踏み消した。


此処では、男が絶対だった。







―狼宴―

-狼たちの戯曲-