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+ 繋がった糸 + 唐突に、衝動に駆られる時がある。 同様に、今俺は無気力に脱力。 「(まあくんのあほ)」 今日はうちに来て夕飯を作ってくれるって約束だったのに、 彼は何の連絡も寄越さず約束を破った。 まだ破ったと決まったわけではないが、 約束の時間はとうに過ぎ、岡田の腹の虫は盛大に溜め息を吐いた。 「(撮影、延びてんのかな)」 声に出さないのは答える人間がそこに居ないからだと岡田は何かを堪えるように顔を歪めた。 独りだ、と思った。 世界にたった独りになったわけでもないのに感じるのは孤独感。 空腹が惨めさを煽る。 「(はやくきてよ)」 彼は自分のものではないから、岡田はその願いを音に出来ない。 貶しても悪態を吐いても、余計惨めになるだけだろう。だから言わない。 「(忘れてたり…せぇへんよね)」 その疑問に答えるものは居ない。 空気を揺らすモノは今何もない。 「(来たら、来てくれたら、笑顔で迎えるから)」 落ち込んでいるあなたは見たくないよ。何だか自分まで落ち込んでしまいそうになるから。 「(俺が笑顔で迎えたら、笑ってくれるかな)」 笑ってくれたら嬉しい、きっと自分は嬉しくなる。 ピンポンと無機質な機械音が部屋に響いた。 空気を揺らした音に、岡田の顔が期待にあがる。 多分、きっと、扉の向こうに立つのは彼。 「悪い、遅くなって」 「(いいよ、きてくれたんやから)」 すまなそうな顔をしたまあくんは、俺の顔を見てつられて笑顔になった。 「埋め合わせ、してね」 これくらいは望んでもいい? まあくんは笑顔のまま頷いた。 「(ありがとう)」 あなたが笑っていてくれるのなら、俺は嬉しいから。 御願いします、どうか悲しみに俯かないで。 END 岡+坂のお話。 落ち込んでる坂と一緒に落ち込みそうになる岡(ぇ *戻* |