3.





剛が家に帰ってすぐ電話が鳴った。
誰からだろうとディスプレイを見ると
(セールスとかだったら居留守を決め込むために)健からだった。
何だろうと受話器を取る。
聞こえてきたのは、震える声。




「ごお…ど、して?」
「健?どうしたんだよ、何があった!?」
「父さんと、母さんが…」




その言葉を聞いてすぐ、
剛は受話器を戻すのも忘れて家を飛び出していた。






































「健!!」

































向かったのは健の家。
健は家の前に座り込んでいた。
警察は、まだ来ていない。




「剛…」



健は剛の顔を見て安心したのか泣き出した。



「今朝笑ってたのに…いってらっしゃいって言って」



なんで、どうしてを繰り返す健の背中を優しく撫でながら、
剛は開かれた扉の向こうからする強烈な鉄の臭いに吐きたい気分になった。
どんな惨状なのか想像もつかない。
それが身内だというのだから、尚更。











『父さんと母さんが、死んじゃった』











その言葉を口にする時の気持ちは、どんなものなのだろうか。
そしてその惨状を目の当たりにしてしまった彼の精神は。

酷い、と思う。
人を殺す人間の気が知れない。
(俺は他殺だと思っている)
今剛を占めるのは、健への同情と、顔も知らぬ犯人への憎悪だった。

















































「…でねぇ」












機械音が何度も相手を呼び出すが、一向に出る気配がない。
剛は苛々と電話を切った。
快彦が着信履歴に気付いてくれればいいのだが、どうだろう。
剛はソファーで泣き疲れてうずくまるようにして寝てしまった健を見てうなだれる。

何も知らないのに、健は傷を抉られるような質問攻めにあった。
隣に居ることさえ許されず、剛は部屋の前でじっと待っているしかなかった。
自分じゃ気の効いた言葉の一つもかけられず、
お腹を空かせて目覚めたとしても何も作ってあげられることが出来ないのだ。
剛は自分の不甲斐なさに拳を握り締め、唇を噛み締めた。




















**Next...*









えと、ごめんなさい?