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  □切なさ押し隠して
  (好きな数だけお持ち帰り可、並び替え自由---なので増えたり減ったり/笑)


内容
主演
  01 風は変わらない。今も、あのときも。   救われたと思ってしまった。   坂+井
 02 優しくしないで。  「何でもねぇ…」   坂+剛
 03 どうか、笑えていますように。   俺の矛盾した想い。  城+松
  04 小さくなっていく背中を、ただ見送った。  「(あぁ、ごめんなぁ…!!)」  坂+岡
  05 ほら、私は大丈夫でしょう?  「大丈夫!!」  松+T4

お題提供:bamboo store

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    風は変わらない。今も、あの時も






見渡す限りの草原に、男が一人立っていた。
人間ではないことが解るのは背中に生えた純白の羽根のためだ。

男の顔は憂いの表情を浮かべていた。

眼を閉じて思い出すのは漆黒の羽根を持っていた彼の笑顔。



彼は誇り高く気高かった。
彼が怒れば翼の一振りで嵐が起こり雷が鳴り響いた。
彼は強かった。そして優しかった。不器用でへたれで、そして悪魔だった。

天使と悪魔という立場の違いからか喧嘩もたくさんした。嫌いだと叫んだ日も少なくはない。
それでも、思い出すのは幸せだった日々、彼の笑顔。

互いに力を削られながらも一緒にいたのは、互いに救われたかったからなのに。

弱かった自分、全てを悟っていた彼。手を差し伸ばさなかったのは臆病から。
彼が消えていくと解った時、俺は深い悲しみを感じ、そしてどこかで安堵した。

救われたと思ってしまった。


風は優しく俺を包んで、俺の中の何かを持って行ってしまった。

輝きを失っていた俺の羽根は光を取り戻し、そして今も白銀に輝いている。






「          」






どうしても名前が呼べない。風が持って行ってしまったのは彼の名前、存在した証。


俺が落ち込んでいる時、風が慰めてくれる。
嬉しい時、俺と一緒になって喜んでくれる。


「(ありがとうって、伝えたいんだけど)」

抱き締めて、笑い合いたい。

あの時の優しい彼の微笑みと同じ。
風は変わらない。今も、あの時も。


「(お別れはいらなかったから、戻ってきて欲しかったよ)」



こぼれ落ちた涙を、風が静かに攫っていった。













END




切なさ押し隠して、のお題にも手をつけてみた(笑
成る可く切なくいこうと思っております(笑











 













































































     優しくしないで






始終笑顔で、視線を送れば差し伸ばされる手。
あれ、何時からだっけ。
昔は仏頂面でさ、よくケンカしてたよな。


「坂本くん」
「ん?どした、剛」
「何でもねぇ…」

坂本くんは何だよって微笑んで俺の額を突っつく。俺は止めろよってその手を払う。

「なぁ剛」
「…んだよ」
「頼りにしてるからな」
「―、うん」

俺の欲しい言葉を、まるで俺の心を読んでいるかのようなタイミングでくれる坂本くん。

「俺、剛の一番のファンだし」
「ふん」
「俺、剛のこと大好きだし」

そう言って再度微笑んで、ね、って首を傾げる坂本くん。

「可愛くねぇし…」

呟いた言葉を、彼は聞かぬふりをした。


「(俺、だって)」


坂本くんのファンだし頼りにしてるし大好きさ。
でも。坂本くんみたいに言葉に出す勇気はないんだよ。

「剛は可愛いし格好いいよ」
「(どうしてそんなこと口にできるのさ)」

思い上がってしまうから、
期待してしまうから。
だから、


「(優しくしないで)」


「なぁー剛」

何も言わずに俯いてしまったのは、坂本くんの顔が見れなくて。
想うことを素直に口に出来る坂本くんが羨ましくて、
何をそんなに怯えているのか自分が解らなくて情けなくて。


「急がなくてもいいよ。剛は剛のペースでいいんだから」


きっと坂本くんは微笑んでいるんだろう。


俺はただ肯くことしか出来なかった。













END



切なさ押し隠してますか(ぇ?
ダメだね、弱くなるよ剛と岡は。








 

















































































     どうか、笑えていますように






あなたの前に立つと、自分を作れない俺。
なのにいつも以上に自分を作ろうとするのも俺。

あなたの瞳に映っても、決して中には入れない惨めな俺。






「松岡」


急に引き戻されてはっと我に返る。目の前にはリーダー城島の姿があった。

「何、だっけ」

ごめん、と謝れば彼は苦笑した。

「疲れとんの?」
「ううん、ちょっと、考え事」
「ふぅん…ま、ええわ。話の続きやけどー」


俺の耳に入ってくるのはそこまで。そこから俺はまた自分の世界に引き籠もる。
彼の声は好きなのだけれど、その内容は俺の心を抉り取る。
心地好いはずの彼の声は、時に俺にとって凶器となる。


初めは反発した。でも次第に憧れを抱くようになり、そして知る。
彼の視界に入ることが出来るようになって初めて、越えられない壁を見た。

「(あなたのギターに陶酔しても、俺のドラムにあなたはそれをしない)」

技術が足りないというのもあるだろうけれど、それだけでは無い理由。


俺は、彼の許容範囲に居ない。



「でな、山口がー…」


彼の許容範囲にいることが許されるこのバンド内で唯一の人間は、兄ぃだ。
先程からの話の内容も、全部兄ぃとのこと。
楽しそうに弾むあなたの声に笑顔に俺が泣きそうになっているとしても、彼には一切興味の
ないこと。
それでも俺が黙って彼の話を聴いてるのは、一握りの望みを捨てきれないからであって諦め
ているわけではない。

「きいとる?」
「うん、聞いてるよ」

右から左だけど。
なのに何でこんなに胸が痛いんだろう。

「そうか」
「うん」

俺の答えに満足げに笑って、彼は再び口を開いた。

「(あぁ、その口を塞いでしまいたいよ!)」

そうしたら、もう名前すらも呼んでもらえなくなってしまうけれど。

視界が歪んだのは涙のせいじゃなくて、焦点が合わなくなったからだ。
俺は唇を噛んで、それでも相槌を打ちながら笑ってみせる。


「(どうか、上手く笑えていますように)」


上辺だけ見て気付かないで、視界に映っているのなら気付いて、なんて。


俺の矛盾した想い。





きっとあなたは永遠に解ることはない。










END



うわこのリーダー酷っ。自分でかいといて何ですが非道いですねー。
紫可哀想すぎた;兄ぃオイシイポジションだな。





















































































     小さくなっていく背中を、ただ見送った







「岡田っ…」



彼の声に酷く心が痛んだ。それを誤魔化すように俺は持っていたナイフの切っ先を彼に向ける。
彼は泣き笑いのような表情をした。


「何でだよ…どうして…俺のこと嫌いになったのかよ…!?」
「そうやで…坂本くん」

名前を呼べば坂本くんはビクリと体を震わせた。
何かを訴えるような瞳の色に、俺は心臓を針で刺されたような錯覚を覚えた。

「(何てキレイな瞳なんやろ)」

彼はこんなところで潰れてはいけない人間だ、と思う。
犯罪者の俺を庇ってくれた、信じてくれた唯一の人だった。

彼は色鮮やかな世界で生きてこそ本来の力を発揮でき、
そして、みんなに愛されるべき人間だ。


「嫌いや。偽善者を演じるんは楽しいか?俺はあんたみたいなやつが一番頭にくるんや」
「―岡田…」
「あぁもう!名前呼ばんといて!」


苛ついたように足下の砂を蹴り上げる。


「あんたなんかに呼ばれると虫酸が走る!!」

「岡っ…」


今度こそ本当に彼の頬に涙が伝った。


「(あぁ、ごめんなぁ…!!)」


陋劣な手段でしかあなたを手放せそうにないんや。
俺がもっと器用やったらあなたを疵付けずに済んだかも知れへんのに。


「岡…っ」
「行けや」
「い…厭だ!」
「厭やいうてはいそうですかで済むわけないやろが!はよ行けや!!」


「(御願いやから、これ以上俺にあなたを疵付けさせんといて!)」


坂本くんは一度ゆっくり瞬きをすると、困ったように俺を見ながら立ち上がった。
そして近づいてきて俺の手を取りあんまりキレイではなさそうなハンカチを上に乗せた。





「ありがとう」




楽しかった、と彼は微笑む。




「ごめんな」




辛いおもいさせて、と坂本くんは俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。

温かい手はすぐ離れ、感じた熱はすぐに冷めてしまった。




俺に背を向けて歩き出した坂本くん。俺には呼び止めることは出来なかった。

俺が疵付けた、だからそんな権利俺は持ってない。

小さくなっていく背中を、ただ見送った。





見えなくなった背中、
握り締めたハンカチ。

そうしてやっと俺は自分が泣いていたことを知った。


「(餞別…にしてはちょっと…)」


笑おうとして失敗して、聞こえてきた唄。これは、彼の声。


「(何てキレイな歌声)」


俺はその場に膝を折って耳をすませた。




「(彼が幸せになりますように!)」

「(そして、少しでも…俺のことを想ってくれますように!!)」





風に運ばれてきた歌声に、


俺は声を殺し、彼を想い、涙を溢した。












END




やっぱり岡+坂が書きやすい(弱くなるから
時点剛+坂。あ、ちなみにこの場面は砂漠だと思って下さい(ぇ
切なさ押し隠されてますか(ん?










 



































































































     ほら、私は大丈夫でしょう?






時々、本当に時々だけど、俺の中身が空っぽになる時がある。
譬えだから本当に空っぽになるわけじゃないんだけど、
何をする意欲も湧かなくて、みんなと居ても楽しくない。

独りぼっち。そうだ、その言葉がピッタリな感じ。



「なぁ松岡、大丈夫か?」
「この頃…心此処に在らずって感じっすよ、マボ」

太一くんと長瀬が俺を心配してくれているのが解った。
俺は勿論肯いて、大丈夫だけど?っていってみせる。すると二人は反する顔をした。
怪訝そうで少し怒ったような太一くんと、心細そうに哀しげな顔の長瀬。
あぁ面白いな、なんて他人事のように思う俺。


「(大丈夫?だって?)」





家に帰ってから気付いた兄ぃからのメール。

『元気ないみたいだけど大丈夫か?辛いなら相談しろよ』

あぁ、兄ぃらしいなんて思いながらもどこか遠くにいる感情。
本文を読んだ時、自分の顔が歪んでいたのに俺は気付かなかった。
返事は勿論決まっている。

『そうかな?大丈夫だけど。ありがと、おやすみ』


「(一体、何が?)」





はは、と乾いた笑いが口から漏れた。
そこにタイミング良くチャイムが鳴る。無視も出来たけど、取り敢えず出てみる。

「リーダー…」
「おん。ちょっと、ええ?」
「―…少しなら、大丈夫」

苦々しげに顔が歪んでしまったのが今度は解った。幸いにもリーダーには気付かれなかった
みたいだ。
俺は小さく息を吐いてリビングへと彼を通した。

どうせ訊かれることも返事も決まっているんだから。


「(大丈夫!!)」


笑んでそう返すだけで、それ以上は誰も干渉してこない。
薄っぺらいなぁとも思うけど、きっとこれが俺の望んでいた結果なのだろう。


「なあ松岡」
「何?」
「無理せんで…肩の力抜き?」
「俺のことなら大丈夫だから」

「(だから、これ以上俺の中に入ってこないで)」


どうしてしまったんだろうね、俺は。あんたの、みんなの優しさが怖いと思うなんて。


「大丈夫な顔、してへんやん」


彼の顔は何だか痛みを堪えているみたいだった。


「あなたこそ大丈夫?」


俺は首を傾げる。


「大丈夫なんて曖昧な言葉で誤魔化さんといて…なぁ、僕じゃ力になれへんの?」
「曖昧なんて言われても…」


あなたの瞳に溢れた涙を見ても、俺は第三者のように落ち着いていた。


「(ほら、私は大丈夫でしょう?)」


空っぽになったら、いつかあんた達が離れていく日が来ても俺は壊れないでいられる。

大丈夫、ともう一度小さく呟いて彼の頬を濡らした涙を拭った。
彼は何か言おうと口を開いたけど声が発せられることはなかった。

俺は微笑んでみせる。そして彼の肩を抱いて半ば強引に立たせた。


「松っ…」

「ねぇリーダー」


何や、と何処か希望を映した濡れた瞳で彼が俺を見る。


「俺は大丈夫だから、帰って?」


「まつ…おか…」




俺を呼んだ、彼の絶望を認めまいとする情けない顔は、笑えた。












END



どうか、とは逆っぽいVer.ですね。
切ないの難しい。コンビが決まっちゃうよー;
































































#91c3ce